シリコンウェハ業界2位のSUMCOが2月9日付で発表した2021年12月期の決算は、売上高が前年比15%の3356億円、営業利益が同36%増の515億円、純利益が同61%増の411億円であったという。また、2021年第4四半期の売上高は、前年同期比26%増の912億円、営業利益は同85%増の150億円となり、主力の300mmウェハの生産能力を上回る需要を踏まえた値上げにより利益が大きく伸びたという。
この第4四半期の動向について同社では、200mm以下の小口径ウェハについても車載、民生、産業向けなど幅広い需要が好調で、供給が追い付かなかったとしており、価格も、長期契約価格は横ばいだが、スポット価格については値上げが継続していると説明している。
シリコンウェハの需給ひっ迫は新工場稼働後も解消せず
シリコンウェハは2022年第1四半期も300mm、200mmウェハともに供給が追い付かない状況が続いており、300mmウェハについては、グリーンフィールド投資に向けた長期契約価格の運用を新たに開始したほか、200mmウェハについても新契約価格の運用を開始しているという。
また、今後の長期的見通しに関しては、300mmウェハについては、ロジック向け、メモリ向けともに需要のさらなる拡大が予想され、新工場の増産分も含めて2026年まで全数量を長期契約でカバーできている状況であることから、佐賀(伊万里)、長崎(大村)、台湾で建設中の新工場が稼働をしたとしても、300mmウェハの需給ひっ迫の状況は解消しそうにはないとの見方を示しているほか、200mmウェハについても引き続き需要が継続する見込みであるとの予測を示している。
なお、2022年第1四半期(1~3月期)の業績については、売上高が同30%増の990億円、営業利益が同2.3倍の210億円、純利益が同78%増の130億円と予測している。 。