伊藤園は9日、スマホで撮影した画像のAI解析で一次加工を施した荒茶の品質を推定する試みを同社の茶産地育成事業の一部産地で今春から開始することを発表した。福島県伊達市でアグリテックを展開するマクタアメニティの技術を活用している。

マクタアメニティが持つ"おいしさの見える化"技術は、野菜などの写真から3原色(RGB)を分光し、AIでおいしさを解析するもの。国内荒茶生産量の約4分の1を取り扱う伊藤園は、蒸す・揉む・乾燥させるの工程を終えた茶葉である荒茶を対象に品質を推定する技術を開発、今春から一部産地で試験運用を開始する。

  • スマホでお茶を解析するイメージ(同社資料より)

    スマホでお茶を解析するイメージ(同社資料より)

従来、専用の成分分析機器で可能だった品質評価手法のコスト削減が期待でき、規模に関わらず生産者がスマートフォンで旨み成分であるアミノ酸の状態を推定できるようになる。淹れ方ひとつでも異なった味わいや香りを提供してくれる豊富なお茶の数々だが、高度な分析手法が広がることで、品質向上やさらなるおいしさの発見が広がる。