順天堂大学 医学部眼科学講座の猪俣武範准教授らの研究グループは2月9日、花粉症予防のための研究用スマートフォン(スマホ)アプリケーション「アレルサーチ」の機能追加を行ったことを明らかにした。
アレルサーチは、順天堂大学医学部眼科学講座による花粉症研究ビッグデータの基盤となるアプリで、花粉症に関する自覚症状アンケートや目の赤みの画像診断、生活習慣などに関するユーザーの情報を収集することで、多様な花粉症症状の層別化や発症要因の解明などの研究に役立てることを目的として開発されたものとなる。
今回のアップデートでは、「花粉症タイプの見える化」と「おすすめの花粉症対策提案」の2つの機能を追加。「花粉症タイプの見える化」機能は、個人差の大きい花粉症の症状を視覚化することで、適切な治療介入やセルフメディケーション(自己管理)の実施を可能とすることを目的としたもの。一方のおすすめの花粉症対策提案は、マスク、メガネ・ゴーグルの着用、点眼薬の使用などの中から、個々人の花粉症タイプに合ったおすすめの予防行動を提案するもので、すでに実施している予防行動や、その割合を記録し、より適切な予防行動の選択もサポートするという。
なお、アレルサーチは現在、Android版がGoogle Playより、iOS版がApp Storeよりそれぞれ無料でダウンロードすることが可能で、アプリ利用者の中で同意を得た人のデータが、花粉症ビッグデータ研究に活用されるという。研究チームでは、個人の特定に結びつく情報は収集しないため、万が一、データが漏洩した場合も、個人の権利に害を与える可能性は極めて低いと考えられるとしているほか、花粉症ビッグデータ研究への利用許可はユーザーの自由意思に基づくものであり、いつでも中止することができると説明している。