Googleの日本法人は2月8日、子どもたちがテクノロジーを安全にかつ最大限に活用できるようになることを目指して、インターネットリテラシーを育むための2つの取り組みを発表した。
全国の小学校、中学校、高等学校などの児童生徒が1人1台のデバイスを持つGIGAスクール構想が進められており、子どもたちがインターネットに触れる機会が学校の内外で増えている。そこで同社は、責任のあるコミュニケーションの取り方、オンラインでも思いやりを持つこと、インターネット上の情報について何が本物かを見極めることといった多くの課題に対して、子ども達がインターネットリテラシーを育むためのプログラムを公開するという。
1つ目の取り組みはインターネットリテラシープログラム「Be Internet Awesome」日本語版の公開だ。同プログラムは2017年に公開したもので、今回で40カ国18言語目の対応となる。
オンラインで安全に過ごすための基本的な知識を身につけることを目的としたプログラムであり、「Be Internet Smart: Share with Care(気を付けて共有する)」「Be Internet Alert: Don't Fall for Fake(偽物に引っかからない)」「Be Internet Strong: Secure Your Secret(秘密を守る)」「Be Internet Kind: Its' Cool to Be Kind(思いやりを持つ)」「Be Internet Brave: When in Doubt, Talk It Out(迷ったら話してみる)」の5つのトピックで構成される。
同プログラムには子どもが自発的に学べるオンラインゲーム「インターランド」のほか、保護者と教師向けのさまざまなリソースが含まれている。
「インターランド」はWebベースでアクセスでき、プレイヤーは4つのランド(大陸)からなる架空の世界を冒険しながらハッカーやフィッシング詐欺師、オーバーシェアラー(情報を共有しすぎる人)、いじめっ子などと出会う。この過程で最高のインターネットユーザーになる(Be Internet Awesome)ためのスキルを磨くストーリーだ。
同社は教員向けリソースとして、上記の5トピックを網羅するレッスンプランやカリキュラムを提供する。スライド教材や印刷して使えるアクティビティ用教材、教室での注意事項などをパッケージとして提供しており、教員はすぐに利用できるという。例えば「Be Internet Alert」のスライド教材は、子どもたちは電子メールにフィッシング詐欺の兆候が含まれているかどうかを見つけるために、協力して課題に取り組むようなイメージだ。
同様に保護者向けのリソースとして、子どもと話し合うための「Digital Wellbeing ファミリーガイド」も提供する。デジタルデバイスを使用する方法やそのタイミング、ソーシャルメディアなどのテーマに応じて話し合いのポイントと保護者向けの注意事項、実際に子どもと対話する際に利用可能なワークシートを提供している。
ほかにも、YouTubeの利用を管理するための家族向けガイドや、インターネットリテラシーを学べる塗り絵やペーパークラフトなど、各家庭で使用するための複数のリソースを用意しているとのことだ。
同社の2つ目の取り組みとして、これまで中学校および高等学校むけに提供してきたインターネットリテラシー授業の対象を小学校にも拡大する。教師向けの進行台本に加えて、児童・生徒向けの動画、ワークシートなどを授業1回分としてパッケージ化して提供する。
「GIGA端末を使うときのルールを自分たちで考えよう ーこんなとき、どうする?ー」と題し、ChromebookなどのGIGA端末を利用する際に身につけておくべきモラルと考え方を学ぶもので、道徳の時間での実施を想定しているという。
「友達のパスワードを知ってしまったらどう行動するべきか?」といったケーススタディを通して学級でのルール作りを促すほか、端末上でファイルを共同編集する時の注意点やコメント機能、チャットの活用方法なども取り上げている。なお、教材の公開は4月ごろを予定しているとのことだ。