ウェザーニューズは2月7日、独自のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)花粉観測機「ポールンロボ」により解析した全国の花粉飛散数のリアルタイムデータを無料で公開すると発表した。これによって、1時間単位の花粉飛散数を市区町村ごとにCSVファイルやAPI連携で取得可能となる。

  • 花粉飛散数データのダウンロード画面イメージ

「ポールンロボ」はレーザー光を使って空気中の花粉数をカウントする花粉の自動観測機だ。全国の家庭や病院、企業など約1000カ所に設置されており、高密度な花粉観測網を展開している。同社はリアルタイムの花粉飛散数データを活用することで、花粉症の研究や対策などに役立てる狙いがあるという。

同社が今回提供するデータは「ポールンロボ」の観測値に基づいた、花粉飛散数の解析値である。同機は一般家庭の軒下などにも設置されているため、設置状況による観測値のばらつきを補正した値を用いているとのことだ。データは専用サイトからCSVファイルまたはAPI連携により誰でも取得可能だ。6月ごろまでの提供を予定している。

  • 花粉飛散数リアルタイムデータのイメージ

花粉の観測方法は、1日1回ガラス板に付着した花粉を顕微鏡で人が数えるダーラム法と、機械による自動観測の2種類が存在する。ダーラム法による花粉観測はスギやヒノキなど花粉の種類を見分けられる利点を持つが、観測に多くの時間と労力がかかる上にリアルタイムでの飛散状況が分からず、観測地点数も限定される。一方の自動観測では花粉の種類は見分けられないものの、花粉の飛散状況をリアルタイムで把握可能であり、人手がかからないため多地点での観測に適している。

花粉は気象条件によって飛散量や飛散エリア、時間帯が変化するため、飛散状況を時間的および空間的に把握することが重要だ。昨年まで、花粉の自動観測は環境省花粉観測システム(愛称:はなこさん)と「ポールンロボ」が使用されていたが、現在までに「はなこさん」事業は廃止されデータの提供も終了している。そこで同社は、全国の花粉飛散数のリアルタイムデータを無料で公開することに至ったのだという。