シリコンウェハメーカー大手の台GlobalWafers(環球晶円)は、同業の独Siltronicの買収を断念したことを踏まえ、300mmシリコンウェハや第3世代半導体ウェハなどの生産をアジア、欧州、米国で拡大することを明らかにした。
2022〜2024年に1000億NTドル(約36億ドル、日本円にして約4150億円、1NTドル=4.15円換算)投資すると発表した。内訳は、新たな場所(グリーンフィールド)に工場を建設するのに20億ドルで2024年の稼働を予定。既存工場の拡張に16億ドルで、こちらは2023年下半期以降の稼働開始を予定している。
これは、事前に立案されていたSiltronicを買収できなかった場合の代替案(プランB)で、買収に充てる予定だった資金をすべて自社およびグループ企業での投資拡大などに振り替え、シェア拡大を目指すという。
GlobalWafersによると、新工場建設予定地の候補はいくつかあるが、すでに交渉を進めているとするほか、拡張する既存工場もほぼ決定済みながら、まだ確認中のところもあり、現時点で詳細を発表できる段階にはないとするほか、生産能力拡大の具体的な数値も現段階では公表できないとしている。
ちなみにGlobalWafersは、日本国内にも元東芝セラミックスのシリコンウェハ事業部門が独立したコバレントマテリアルを2012年に買収して誕生したGlobalWafers Japan(新潟県)と、グループ企業であるMEMC(元Monsanto Electronic Materials)の子会社であるMEMC Japan(栃木県)を有している。このほか、同社はアジア域内として台湾、中国、韓国、マレーシアにもウェハ量産工場を有している。
なお、GlobalWafersが増産を予定しているのは、以下のウェハを中心に予定しているという。
- 300mmのシリコンバルクウェハとエピタキシャルシリコンウェハ
- 200mm/300mmのSOIウェハ
- 200mmのFZ(フローティングゾーン)シリコンウェハ
- SiCウェハ
- SiC基板上にGaNをエピタキシャル成長させたGaN on SiCウェハ