東京大学大学院工学系研究科とKDDI総合研究所は2月4日、情報・通信・デバイスの技術が融合された、Beyond 5G/6G時代におけるスマート社会基盤の構築に関する研究開発を行う「未来スマート社会研究」社会連携講座を1月1日に開設し共同研究を開始したことを発表した。

同講座はBeyond 5G/6G時代におけるサイバーフィジカルシステムを見据えた横断的な研究開発を行うことで、人材の育成や新産業創出、社会イノベーションを起こすための産学連携などを目指すという。

  • 社会連携講座が想定するB5G/6G時代のネットワーク

同講座では東京大学はBackscatter通信やエナジーハーベストデバイスなど、無線およびデバイス関連や、AIなどのデータ解析に関する研究開発を主導的に行うとともに、コンテスト開催など実践的な教育によって人材育成を担う。一方で、KDDI総合研究所は、データハブ/MEC(Multi-access Edge Computing)技術関連のデータ流通や全体アーキテクチャに関する研究開発を主導的に行うとともに、講座の成果について社会実装や標準化を進める予定だ。

なお、Backscatter通信とは、自ら電波を発射するのではなく、環境に存在するTVやWi-Fiなどの電波をアンテナで反射および吸収することで電波をON/OFFするように変調をかけてデータを伝送する通信手法を指す。小さな電力消費でデータの送信が可能という利点があるという。また、エナジーハーベストデバイスとは、身の回りにあるわずかなエネルギーを活用して発電された電力で動作するデバイスのことだ。電池やバッテリへの充電を行うことなく動作可能である。