熊谷組は2月4日、設置カメラの映像を活用し建設現場を走行するダンプトラックなどの車両走路への人の侵入をAIで検知し、即座に回転灯で警告を行うシステムを開発したことを発表した。システムは2021年8月から12月までの期間、実施工検証を行いその効果の確認も行われている。

区分されたエリアに設置されたネットワークカメラと回転灯が侵入の警告を行うシステムに使われるAI人物検知アルゴリズムは、事前に現場で収集した映像から独自に作成した教師データを活用、リアルタイムに人物の検知。その検知能力は人物を個別に特定し、追跡することも可能だという。
  • AIによる人物検知および追跡モデルの概要(同社資料より)

    AIによる人物検知および追跡モデルの概要(同社資料より)

車両走路侵入への検知は、AIによって人物の矩形エリアと指定された人物検知エリアの重なり度合で判定。同社によれば、矩形エリアの足元部分の判定を重視することで人物検知エリア境界線部分の検知漏れを防ぐことが可能となったという。映像のコマ落ち対策は、時系列で人物を追従することで検知漏れを防ぐことができたという。
  • 人物検知エリアの設定(同社資料より)

    人物検知エリアの設定(同社資料より)

システムは、2021年8月から12月まで期間、熊谷組・大豊建設中央新幹線東雪谷非常口新設工事共同企業体 東雪谷工事所において、土砂運搬作業で実施工検証が行われ、効果が確認されている。今後は、これらの技術を活用し、検知エリア侵入の人物検知と個人情報をリンクさせることでさらに開発を進める。

高所作業や建設機械のオペレータ監視等への活用、現場ルールが遵守されているか?バリケードなどの安全設備が適切に設置されているか?といった安全の確認作業、現場やトンネルの入退場管理や入坑管理などが、今後の開発目標として具体的に挙げられている。