1月26日~28日にかけて開催されていた電機・計測産業を核とする産業界の最先端技術の展示会「IIFES 2022」にてパナソニック インダストリー社は、インターロック装置の新製品をはじめ、同社の産業用デバイスを組み合わせたトータルソリューション、他社との協創事例などを紹介した。
パナソニックは2022年4月に持株会社制へ移行を予定している。
インダストリー社は持株会社制へ移行後の組織体制を見据えて2021年10月に発足。旧組織体制のインダストリアルソリューションズ社における電池関連以外の事業領域である電子デバイス・産業用機器事業を引き継ぐ形で事業を展開している。
現場にニーズがあったメンテナンスモードに切り替えが可能なインターロック装置
新製品として紹介していたSG-Pシリーズ用メンテナンスアクチュエータ「SG-PK-M」。同製品は非接触式セーフティドアスイッチ「SG-P」と組み合わせて使用するものだ。
生産現場では作業者の安全のため、工作機械や産業用ロボットの安全扉が開くと機械の動作が止まるといったような「一定の条件を満たした場合には機械が止まる(もしくは条件を満たした場合に稼働する)」インターロックが各所に施されている。
SG-Pは生産設備の扉に装着して使用し、設備ドアの開閉状態を表示灯の色で周囲に知らせ、開閉の際に信号を制御機械に送ることで、機械を稼働/停止させることができる。
磁石式のインターロック装置の場合は故意に無効化することができてしまい、重大事故につながる可能性があるが、同製品ではスイッチ本体とペアリングさせたアクチュエータのみを検出する方式を採用することで、インターロックの故意の無効化の防止が可能という。
しかし、作業現場ではメンテナンスなどの際に機械を動かしたまま、扉を開閉したいというニーズもあった。
そのニーズに応える形で製品化されたのがメンテナンスアクチュエータ「SG-PK-M」だ。
SG-PK-MはSG-Pに装着することで、メンテナンスモードの信号を制御機器に送り、扉があいた状態で機械をゆっくりと動かすなどの設定が可能。
また、メンテナンス中であることをランプの色で周囲に知らせることができる。
SG-Pはすでに発売中で、SG-PK-Mは2022年2月の発売を予定している。
パッケージソリューションや協創事例の紹介も
展示では、同社の産業デバイスを組み合わせたパッケージソリューションの紹介も行われている。
一例として紹介されていたのは「FPC(フレキシブル基板)自動挿入機」。
FPCは柔らかく、従来は機械での挿入作業が難しかったというが、同社のFA用画像処理装置「PV230」などの画像処理技術や計測技術、ロボットの制御技術を組み合わせることによって自動化を実現。
実際にカーナビや車載カメラの工場などで量産稼働を行っているという。
また、広島と協業した樹脂レーザ溶着装置が他社との協創事例として紹介されている。
デモでは約2秒の照射で溶着が完了。試作品の製造のほか、量産品向けの機体もすでに納入済みだという。
ブースの担当者は、今回の展示を通じ「パナソニックインダストリー社が持つさまざまなデバイスで、さまざまな規模のクライアントそれぞれに“寄り添った”ソリューションを提案できるということが伝わればと考えている。製造現場の課題に対して産業用デバイスの選定からプログラミングまでパッケージでのサポートが可能だということを紹介できれば」と説明した。