三菱重工業は、東北電力の女川原子力発電所2号機(宮城県牡鹿郡女川町)向けに、特定重大事故等対処施設の主要機器設置工事を受注したことを2月3日に発表した。
特定重大事故等対処施設とは、原子炉建屋への大型航空機の衝突などにより、炉心に著しい損傷が発生するおそれがある場合などにおいて、原子炉格納容器の損傷を防ぎ、放射性物質の放出を抑制するため、遠隔で原子炉圧力容器内の減圧や原子炉格納容器内の冷却などを行う施設を指す。
原子力規制委員会の新規制基準において、本体施設の設置などに係る工事計画認可から5年以内での稼働が要求されている。
同社は原子力発電プラントメーカーとして、同様の工事を国内の加圧水型(PWR)原子力発電プラント向けに多数受注した実績を有しており、すでに5基が完工済となっているほか、7基が建設中、4基が計画中としている。
同社は、これら先行プラントにおける大型航空機衝突評価や耐震評価などの安全審査支援、ゼネコンを含めた総合調整力から、女川原子力発電所2号機といった国内の沸騰水型(BWR)原子力発電プラント向けの工事についても受注に至ったとしている。
原子力発電所向け特定重大事故等対処施設に関して同社は、国内PWRプラントに加え複数の国内BWRプラントにおいても商談を計画中で、今後も信頼性の高い機器納入を通じて、原子力発電所の安全性向上ならびに安定運転に貢献していくという。