NTTドコモは1月31日、同社の端末にIPv6アドレスのみを割り当てる「IPv6シングルスタック方式」の提供を2月1日より開始すると発表した。提供開始当初は同社のスマートフォンやデータ通信端末など31機種が同方式に対応し、4月以降に発売する機種は全ての端末が対応する予定だ。
IPv6とは、現在主流のインターネットプロトコルであるIPv4の後継として設計された新しいインターネットプロトコルだ。IPアドレスが32ビットで構成されるIPv4に対し、128ビットで構成するIPv6を利用することでより多くのアドレス付与が可能となり、端末数の増加やIoT(Internet of Things:モノのインターネット)化の促進に伴うIPアドレスの不足を防げるという。
IoT機器の増加や5G(第5世代移動通信システム)の普及に伴ってIPv4アドレスが世界的に不足する中で、同社は枯渇の心配がないIPv6アドレス化への対応を進めてきた。これまでは端末にIPv4アドレスとIPv6アドレスの双方を割り当てる「IPv4/IPv6デュアルスタック方式」を採用してきたが、通信の宛先がIPv4アドレスの場合には変換して接続するNAT64/DNS64方式および464XLAT方式という手法を採用することで、「IPv6シングルスタック方式」を実現したという。
2021年7月から12月にかけてアプリケーションやコンテンツの開発者向けに動作確認のための試験環境を提供し、同方式で通信が問題なく行われることや、同社が提供するアプリケーションが問題なく動作することを確認しているとのことだ。