情報通信研究機構(NICT)は1月31日、多人数が3Dメガネを使わずにフォトリアルな3D表示を同時に体験できる透明AR(Augmented Reality:拡張現実)ディスプレイシステムを開発したことを発表した。
同システムは、NICTが独自開発したホログラフィックフィルム1枚と、複数台の小型プロジェクタから構成される。約30台の小型プロジェクタを用いてフルカラーの映像を投影し、対角35 cm、水平視野角60度、垂直視野角10度以内で、3Dメガネを着用せずに多人数で見ることが可能。
またNICTと凸版印刷は、凸版印刷のライトステージで撮影した高精細かつ肌の質感を含んだ顔計測データを同システム上に再現する実証実験を行い、自然な顔の表情を映し出すことに成功した。
NICTと凸版印刷は今後も協力を進め、仮想空間と実空間をつなげるデジタルツインや、仮想キャラクターといったエンターテインメント分野だけでなく、人体を3D表示した手術トレーニングや手術支援など医療分野における活用などさまざまな分野への適用を進めていく方針だ。