ICテストシステムサプライヤ大手のアドバンテストが1月27日に発表した2021年度第3四半期(2021年10~12月)決算業績は、売上高が前年同期比43.6%増の1121億円、営業利益は同2.2倍の335億円と好調であった。
ただし、受注高は、前四半期比33.1%減の1363億円と大きく減らしているが、これは第2四半期に大規模な前倒し発注があったためであり、事業環境は引き続き良好であるとしている。また、テスタ製造のために必要な半導体不足は続いているものの、調達活動の強化で生産に支障は生じなかったという。
売り上げの95%以上が海外市場
同四半期の販売地域を見ると、台湾33%、中国26%、韓国18%、米国5%、日本4.5%、欧州4.5%、その他10.5%で、台中韓が3大市場となっている。また、同四半期の受注高は中国が35%とトップだが、これは前四半期に台湾からの受注が著しく増え、同四半期に受注が一服した影響としている。
なお、同社は事業環境について、今後も良好を維持できる見込みとしており、2021年度の通期業績予想を上方修正している。それによると、受注高は、前回予想を850億円上方修正の6500億円(前年度比96.6%増)、売上高は同100億円上方修正の4100億円(同31.1%増)、営業利益は同100億円上方修正の1150億円(同62.6%増)となっている。
市場成長性については、主要顧客が2022年も積極的な設備投資を計画していることから、SoCテスタ市場は2021年の41億ドルから2022年には45~50億ドル、メモリテスタは2021年の13億ドルから2022年には14~15億ドルへと成長するものと見込んでいる。
電気自動車(EV)市場の拡大によってテスト項目が多くテスト時間が長い車載半導体用テスタの販売台数が増加傾向にあり、しかも200mmから300mmウェハへの切り替えでテスタを買い替えるケースが増加するとみられるとするほか、サーバへのGPUやFPGAなどといったアクセラレータが搭載されるケースが増えたり、スマートフォンへのAI機能の搭載なども含め、以前よりも多くのテスタが必要になる見込みだとしている。