サイレックス・テクノロジーは、商用ローカル5Gの無線局免許を2021年9月3日に取得し、ローカル5G、Wi-Fi 6、IEEE 802.11ah対応の製品開発・検証が可能な施設「THE BASE for 5G and Wireless(THE BASE)」を、2022年2月1日に同社のけいはんな本社3階にオープンすることを発表した。

  • THE BASE
  • THE BASE
  • サイレックスが2022年2月1日にオープンするTHE BASE(提供:サイレックス)

THE BASEのコンセプトは「組み込みエンジニアがワイヤレス技術という道具を自由に使い、新しい製品をともに創るガレージ空間」。

“ともに創る”というコンセプトどおり、サイレックスのワイヤレス組み込み技術やノウハウをもって、クライアントやパートナー企業、教育機関のエンジニアを支援し、新しい製品やビジネス開発を共創する場として運用していくという。

同施設では、ローカル5Gに加え、Wi-Fi 6、IoTの通信システムとして活用が期待される長距離通信802.11ahに対応した製品の開発・検証の実施が可能。

ローカル5Gの基本性能を知ることを目的としたデモも用意されており、サイレックス製品を5G環境下とWi-Fi環境下で使用した際の違いについて体感できるデモや、ローカル5Gモジュールを搭載した試作機でローカル5G通信の安定性や超低遅延映像伝送などを体感できるデモを準備しており、802.11ah通信のデモは屋外との長距離通信を模したデモを予定しているという。

現在のローカル5G、802.11ah通信の体験デモに加え、現在開発中のWi-Fi 6のモジュールが完成した際にはこちらもデモを準備する予定だという

  • デモ

    THE BASEで体験できるデモ(提供:サイレックス)

情報通信研究機構(NICT)ワイヤレスシステム研究室で製造現場で安定した無線通信を実現する「SRF無線プラットフォーム」の研究研究・標準化を推進している板谷聡子氏はTHE BASEに期待することとして以下を挙げた。

「無線通信技術開発・標準化にユーザーインサイトを盛り込んでいくべきだと考えており、マーケットの声を取り入れる場にTHE BASEがなっていくといいなと思っている。また、新しいことにチャレンジする場として無線通信技術をリードしていただけたらとも考えている」

サイレックスの担当者は「5G環境のもとで開発できる場所は限られているので、そういった要望があるクライアントにTHE BASEに来てもらって一緒に製品を開発していきたいと考えている。現在は機器メーカーのエンジニアがメインの来場者だと思うが、将来的にはアカデミックな利用にも対応していきたい」と共創の場としてTHE BASEに期待を寄せた。

なお、THE BASEの利用に関しては特設サイトより事前に問い合わせる必要がある。