仏エアバスは1月25日(トゥールーズ時間)、ベルーガST「スーパー・トランスポーター」による大型貨物の空輸サービスを、物流、運輸会社やその他顧客に提供する新事業を立ち上げたと発表した。
新サービスは、宇宙、エネルギー、防衛、航空、海運、人道支援などの分野の一般顧客に対し、大型貨物の空輸を行う。
新サービスによる最初の空輸が2021年末に実施された。具体的には、ベルーガSTの3号機によって、ヘリコプターが、エアバス・ヘリコプターズの製造工場がある仏マリニャンヌから、ワルシャワ(ポーランド)、ノヴォシビルスク(ロシア)、ソウル(韓国)を経由して神戸に輸送された。
ベルーガSTはA300-600を改造した特別貨物輸送機。現在5機が、欧州各地にある工場間でエアバス機の大型コンポーネントを輸送する役目を担っているが、今後順次、6機の新世代型ベルーガXLと置き換えられる予定となっている。
ベルーガSTにおいては、顧客が要求する短時間でのターンアラウンド(空港に着陸をしてから貨物の積み降ろしや燃料補給などを行って再び出発するまでの過程またはその時間)を実現するため、新たな搭載技術や機材が開発された。その一つが自動貨物積載システム(On-Board Caro Loader: OBCL)で、貨物の搭降載設備が整っていない空港で活用できるという。