"脱サードパーティCookie"の取り組みを進める米Googleは1月25日(現地時間)、インタレストベース広告向けのプライバシーサンドボックス「Topics」を公開した。昨年に世界各国で行ったFLoCの試験提供のデータやフィードバックに基づいて開発、オンライン広告の新たなエコシステムとして賛同を得られていないFLoCを置き換える新たなプライバシーサンドボックスの提案になる。
Topicsでは「フィットネス」や「旅行・交通」といったトピックが用意され、Web利用者のブラウジング履歴からユーザーの関心に当てはまるトピックをブラウザが選択する。トピックは試験提供段階で数百から数千規模を予定しており、「性別」や「人種」といったプライバシー・センシティブなカテゴリーのトピックは除外する。トピックの選択は、Googleサーバーを含む外部サーバーを介することなく全てオンデバイスで行われる。トピックの保存期間は3週間で、古くなったトピックは自動的に削除される。
WebユーザーがTopicsを利用するサイトにアクセスすると、Topicsは過去3週間に選んだトピックから3つを、そのサイトや広告パートナーと共有する。GoogleのWebブラウザ「Chrome」では、ユーザーが記録されているトピックを確認し、共有したくないトピックを削除したり、機能を完全に無効化できるユーザーコントロールを用意する。
Googleは、プライバシー保護の取り組みを含むTopicsの詳細情報および技術情報をprivacysandbox.comとGitHubで提供している。
Webユーザーのプライバシー保護意識の高まりから、GoogleはChromeにおけるサードパーティーCookieのサポートを2023年末までに廃止する計画を掲げている。それと平行して、Web利用者のプライバシーを最優先した新たなオンライン広告のエコシステム作りを進めており、昨年春にインタレストベース広告向けのプライバシーサンドボックス技術としてFLoCを公開した。
FLoCは機械学習を利用してWeb利用者の好みや興味を推測し、似たような関心を持つ人々を大きな「コホート(Cohort:群れ、集団)」にくくり、広告主が個人ではなくコホートを配信先として選ぶようにする。個人を群衆の中に隠し、さらにオンデバイス処理によって個人のウェブ履歴を保護する仕組みだが、デジタル分野のプライバシー保護を掲げる非営利組織EFF(電子フロンティア財団)がフィンガープリントのような他の追跡手段との組み合わせや情報の結びつけによって個人の行動に絞り込める可能性を指摘。Google以外のブラウザベンダーからも前向きな反応を得られていなかった。