安藤ハザマは1月24日、AI・データ解析を用いて、基本計画前段階の業務である企画段階のボリューム設計を自動化するシステムを開発中であると発表した。
現在開発中のシステムは、設計者が計画敷地・建物の基本情報を入力後、いくつかの簡単な追加条件を入力することで、ボリュームプランと概算コストがセットで企画ボリューム案として提示されるものだという。
具体的には、Webで公開されている法令情報から該当敷地に関する都市計画情報を補足し、建築規制範囲を表示する「ボリューム形成プロセス」、過去物件のデータベースから、計画の参考になる類似物件を複数表示する「プラン形成プロセス」、企画ボリューム案の情報を基に、躯体、仕上、設備における過去物件の歩掛りデータを活用し、統計的手法により概算コストを算定する「コスト算定プロセス」の3つから成り、設計者の提案プラン作成、複数案の絞り込みをアシストするという。生成された企画ボリューム案はBIMデータへと変換され、基本計画の提案資料作成、次の業務プロセス(基本設計)へとプロジェクトを継続することが可能。生成された計画案は、データベースへ格納・ストックされ、次回以降の検討の学習データとして再活用されるということだ。
これまでの開発で、ボリューム形成プロセスとプラン形成プロセスを経て、企画ボリューム案を提示する部分については、限定条件下・用途において開発済みだという。今後適用条件を拡張させながら、妥当性の検証を行い2022年度中に実物件への導入を目指すとしている。コスト算定プロセスについては現在開発中で、一部の用途で統計的手法によるコスト算定を試行するに至っているということだ。将来的には基本設計段階において、上部躯体の部材断面を自動で算定し、数量積算できるようになることを目指し、今後、一体のシステムとして利用できるように整備を進めていく構えだ。