Proto Labsの日本法人であるプロトラブズは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の影響による深刻な材料不足により国際的なサプライチェーンの正常化の見通しが立たない中、製造業の納期調整のニーズに対応するため、7営業日または12営業日に納品する長納期オプションを1月12日から開始した。
価格は形状によって変動するが、7営業日の場合は標準納期価格の約-18%、12営業日の場合は約-27%となる。
同社では、標準で3営業日にて納品を行っており、2021年6月には超短納期ニーズに対応するため、午前10時までに発注するとパーツがその日のうちに加工・出荷される当日出荷オプションを開始。今回の長納期オプションをあわせると6つの納期から選択が可能となった。
従来、「どれだけ早く納品するか」が求められてきた製造業界。
長納期オプションの提供理由をプロトラブズの社長、今井歩氏は「コロナ禍でサプライチェーンが分断されたことにより、海外で作っているパーツの納期が長引き、日本で作っているパーツだけ先に出来上がっても、製品の完成は海外パーツの到着に合わせるというパターンが出てきた。その中で、どうせ海外からのパーツを待つなら、国内のパーツ納期を後ろ倒しにしても安価に製造したいというニーズがでてきた。
これまでは納期の早さを売りにしていたが、コロナ禍で製造業のニーズも変わり、納期の早さよりも“柔軟性”をクライアントが求めていると感じた。2022年も状況の不確実性は続くと感じている。そういった不確実性にフィットしたサービスを提供することが現在は重要だと考えている」という。
長納期オプションは切削加工が対象で、材料の制限はなく、対応の可否は見積り段階で判断しウェブ見積りで結果を見ることができる。
同社はもともと、3D CADデータをもとにしたカスタム部品の受託製造を行うサービスを提供しており、見積もりから解析、フォローに至るすべての工程をオンライン上で完結させるシステムを用いてきた。
機械で納期を管理するため、提示した納期の順守率は99.7%を誇るという。
今井氏は「オンラインのみで完結するサービスを10年前から提供してきており、コロナ禍でも変わらないサービスを提供できているのはプロトラブズとしても自信になっている。オンライン上で非対面ながらも、ものづくりを進めることができるサービスは製造業で今1番求められていると考えている」という。
“早さ”だけでなく“柔軟さ”も求められる現在の製造業界で、プロトラブズが今後どのようなサービスを展開していくのか注目したい。