NTTデータは1月20日、メインフレーム上に構築されたシステムをオープン化するためのフレームワークである「PITON」を2024年から製品として提供することを発表した。「PITON」はメインフレーム向けに開発されたアプリケーションをオープン系の基板上で稼働可能にする。
これまでメインフレームのみで提供してきた勘定系システムにおいて、システム更改時に「PITON」を採用することでオープン化を選択できるようになる。これにより、稼働実績のある既存業務アプリケーションに変更を加える必要がなくなり、メインフレームで構築されたシステムのオープン化における移行リスクを低減する。
「PITON」を採用した安全なオープン化によって、ハードウェアの調達やシステムの開発、維持および運用に必要なIT人材の確保など勘定系システムのサステナビリティが確保できるという。システムと最新技術の親和性が向上するため、利用金融機関のデジタル化やコスト削減も期待できる。また、オープン化によって勘定系システムにおいてもクラウドやデータセンターの活用が進むため、将来的には消費電力削減などによる脱炭素化にもつながるようだ。
また、「PITON」の採用によってシステムを構成するハードウェアや製品などが中長期的に確保できるようになり、システムの継続性にもつながる。オープン系の技術者はメインフレームの技術者と比較して母数が多いため、システムの開発や運用に必要な人材の確保も可能になるとしている。
「PITON」はファーストユーザーである次期MEJAR(横浜銀行、東日本銀行、北陸銀行、北海道銀行、七十七銀行が共同利用している勘定系システム)の2024年のサービス開始と同時に製品化される。加えて、2026年を目途で更改予定のしんきん共同センターの次期勘定系システムでも「PITON」の採用が決定している。