柔軟性が求められる製造現場と相性が良いプロジェクター
2022年1月19日~21日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている「ネプコンジャパン2022」において、カシオ計算機は同社のプロジェクターを用いた製造業向けソリューションを紹介している。
プロジェクターは、モニターの設置や工事をせずに表示ができる点から、レイアウトの入れ替えなどが発生し、柔軟さが求められる工場などの製造現場では導入しやすいというメリットがある。今回の展示ではそんなプロジェクターの特徴を活かした製造業向けの導入事例が紹介されている。
同社のプロジェクターは、コンパクトながらも2000ルーメンの輝度を実現した「FORESIGHT VIEW(CX-F1/CX-E1)」シリーズや、超短距離の投影が可能な「XJ-UT352WN」、クライアント製品への組み込みを想定した組込専用プロジェクションモジュール「LH-200」といったさまざまな製品群を持つ。
その製品群のそれぞれの特徴を活かし、各社と協業して新たなソリューションを展開しているという。
最初に紹介するプロシェクターを使ったソリューションは、OKIが開発した「プロジェクションアッセンブリーシステム(工場内作業ガイド)」だ。
同ソリューションは、人の手による組立作業を支援するというもの。作業手順に従い、部品棚の間口が光るようになっており、部品の取り出し間違いを防止したり、作業効率を上げることが期待できるという。システムはOKIが開発し、作業ガイドの投影にカシオのプロジェクターが採用されている。
OKIがカシオのプロジェクターを採用した理由は、下向きや縦置き投影が可能などの設置の柔軟性やプロジェクターの光源が長寿命なことから、ランプ交換の手間が削減されるためだという。
なお、同作業ガイドはもともとOKIの社内のみで使用されていたが、社内でミスが減ったことや作業習熟時間が短縮するなどの実績が出たことから製品化され、販売もされている。
画像認識用のパターン映像投影や、顔認証カメラとの組み合わせも
次に紹介するのは、東京エレクトロン デバイス(TED)が開発したロボットビジョン「TriMath」にカシオのプロジェクターが採用された事例だ。
TriMathは、プロジェクター・画像処理・AI・ロボット・ハンド・システム制御を組み合わせ、不定形物・不規則形状品のピッキング・デパレタイズ・仕分け・組立などを可能としたシステム。
カメラによる画像処理を行う際に、画像認識用のパターン映像の投影にカシオのプロジェクターが使われている。
広範囲で立体的に投影できることから、プロジェクターによるパターン投影は従来より行われてきたが、プロジェクターが大きくスペースを取ってしまうことが課題だった。
そこで、TEDはカシオのコンパクトなプロジェクター「CX-E1」を導入。高輝度で長寿命、広い画角で投影できることや、コンパクトなため、どこにでも取り付けられることが導入に至った理由とのことだ。
ほかにも、三菱電機が開発した床にさまざまなサインを表示することができる「てらすガイド」への搭載事例や、カシオの提案展示で顔認証カメラと組み合わせることで、人によってガイドを出しわけるソリューションなどが紹介されている。
ブースの担当者に今後の展望について伺ったところ「展示したソリューションはクライアントからの要望を受けてソリューション化したものが多い。製造現場ではまだまだプロジェクターを活用できるシーンがあると思うので、メーカーとして活用シーンやソリューションを発信していきたい」と語ってくれた。