2022年1月19日~21日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている「オートモーティブワールド2022」において、村田製作所はミシュラン(Michelin)と共同開発したタイヤ内蔵用RFIDモジュールの展示をはじめとしたさまざまな車載製品の展示を行っている。
同RFIDモジュールは、2021年12月に発表したもので、従来のRFIDタグから通信の信頼性向上や低コスト化を目指して共同開発されたものだ。
従来のタイヤ内蔵RFIDモジュールはタイヤの動きでアンテナとモジュールの接合部分が折れてしまうといった耐久性に課題があるものも多かったという。
そこで、今回共同開発した製品は、バネの中にモジュールを収納することで耐久性を向上。
また、タイヤ内部は金属などが複数層重なる構造をしていることから、RFIDがうまく読み取れないということもあったという。
今回の開発品においては、村田製作所が通信市場で培った技術や自動車市場における技術的知見を活用し、タイヤ内蔵時でも安定した通信性能を発揮できるよう改善を図ったとしている。
これまでライフサイクルの管理が難しかったタイヤ。現在はミシュランが商用車タイヤ向けに同製品の内蔵を進めているが、2024年ころには普通乗用車にも内蔵を拡大する計画があるという。
また、参考出展として、量子乱数ハードウェアセキュリティモジュールのパネル展示を行っている。
同製品は、CMOSイメージセンサにLEDで光を当てることで、ショットノイズを生じさせ、そこからランダムデータを取り出すことで、高速な暗号化を可能にするもの。
通信機器基板上にこのモジュールを後付けすることで、コネクテッドカーで発生する車内通信や車車間・路車間通信においてのセキュリティ対策やPQC(耐量子暗号鍵)への移行をサポートするという。
同製品は研究段階で、展示によってクライアントの意見などを聞きながら研究を進めていきたいとのことだ。
同社のブースでは、ほかにも車の内部の電子部品(In Car)から、車向けの通信技術などの車の外(Out Car)、さらには環境に配慮したEVといった車づくりに役立つ電子部品(Green Car)の紹介が行われている。