Infineon Technologiesの日本法人であるインフィニオン テクノロジーズ ジャパンは、同社の車載マイコンファミリ「AURIX」として、次世代eMobilityやADAS、自動車E/Eアーキテクチャ、低価格人工知能(AI)アプリケーション向けとなる「AURIX TC4xファミリ」の初期サンプルを一部の主要顧客向けに出荷したことを1月18日に発表した。

同製品は、28nmプロセスを採用し、従来品である「AURIX TC3xファミリ」の上位互換に位置づけられるもの。最大500MHzの次世代TriCore v1.8を搭載したほか、「AURIX アクセラレーター スイート」による性能強化が図られているとしている。

また、新しい並列処理ユニット(PPU)やSIMDベクトルDSPも搭載しており、さまざまなAIトポロジーの要求に対応するとともに、新たなSOTA(Software Over-the-Air)機能により、自動車とクラウドを高速かつ安全に接続し、フィールドアップグレードや自動車使用中の診断・分析機能などの自動車OEM企業のニーズに応えることができるとしている。さらに、5GbEやPCI Express(PCIe)などの高速通信インタフェースに加え、CAN-XLや10BASE T1S Ethernetなどといったインタフェースもサポートしているという。

ソフトウェア開発においても、Synopsysとの協業により、Synopsysが提供する「Virtualizer Development Kit(VDK) for TC4x」を用いることで、設計サイクルの早い段階からソフト開発を始めることが可能なほか、「Synopsys DesignWare ARC MetaWare Toolkit for AURIX TC4x」では、PPU向けのソフトウェア開発に最適なコンパイラやデバッガー、ライブラリ、シミュレーターが提供されるとしている。また、MathWorksのMATLABのサポートも予定されており、迅速なプロトタイピングを可能にする自動コード生成機能などが提供されることとなるという。

なお、同製品の量産開始は2024年後半が予定されている。

  • AURIX TC4x

    AURIX TC4xファミリのイメージ画像(提供:インフィニオン)