セコムは1月13日、AI(Artificial Intelligence:人工知能)を活用したバーチャルキャラクターが警戒監視や受付業務などを行う「バーチャル警備システム」の提供を開始すると発表した。
同システムは、現実空間を映すディスプレイ一体型ミラー上に3Dモデルとして表示したバーチャルキャラクターが常駐警備を行うものだ。AIを活用した警戒監視や受付業務などを「バーチャル警備員」が提供し、対処や緊急対応などの業務は熟練した常駐警備員が担当する。
1台の監視卓は最大で3台まで「バーチャル警備システム」を管理でき、常駐の警備員と連携した効率的な設備警備を支援する。男性キャラクターの「衛(まもる)」と女性キャラクターの「愛(あい)」から使い分けることができる。
「バーチャル警備員」は目配せなどによって存在感を発揮しつつ周囲の警戒や監視を行うため、犯罪抑止効果を発揮するという。また、内部にカメラやモーションセンサーを搭載しており、近づいた人への声掛けを行うほか、周囲の映像や音声から急病人の発生など緊急事態を認識した場合は自動で監視アプリ上のモニタリングダッシュボードに通報する。
来訪者から話しかけられた場合には、AIによる音声認識を活用して自律的に受付業務を実行する。「バーチャル警備員」は来訪者の背丈に合わせて腰をかがめたり、対話内容に応じた自然な表情をしたりするとのことだ。必要時には常駐警備員による遠隔での通話応対や、地図など案内に必要な画像の表示も可能。
なお、「バーチャル警備員」の対応の様子はリアルタイムでモニタリングダッシュボードに届くため、AIによる対応が困難な場合やより詳細なフォローが必要な場合は常駐警備員による遠隔通話で対応可能である。
同システムの管理機能はクラウドで提供されており、「バーチャル警備員」の対話シナリオや地図案内の内容は遠隔地からでも更新できる。カメラ映像も遠隔地から閲覧できるうえ、災害発生時にはディスプレイに避難経路を表示するような操作にも対応する。
「バーチャル警備システム」は、エッジ筐体1台をレンタルする場合は月額35万円。3台セットでは95万円。発熱検知や顔認証などのオプション機能も別料金にて追加可能だ。