シスコシステムズは1月13日、中小企業向けビジネスの最新戦略についての記者説明会を開催。コロナ禍でネットワークやセキュリティ領域を中心に売上が大きく伸び、今後はコラボレーション領域に広げていくという。
シスコシステムズ 専務執行役員 アジア太平洋地域SMBビジネス統括 鎌田道子氏は、同社のSMBビジネスの状況について、「これまでの2年半、SMB市場に対しては、マネージドサービスの加速、オンラインビジネスの成長、クラウドへのシフトの3つの柱を推進してきた。しかし、この3つはコロナに影響を全く想定しておらず、ネットワークスポンサーとして東京オリンピックのブランドを活用し、デジタルを推進していくことを想定していた。しかし、この3つの柱はパンデミックにより、われわれの想定以上に転換をもたらした。とくにマネージドサービスは、エンジニアの不足、直接訪問ができないという状況下において、需要が伸びだ。オンラインビジネスはテレワークの普及によって、自宅の環境を整えたいというニーズにより加速した。そして、これらのサービス自体がクラウドにシフトした。3年前はわれわれの製品の8割がオンプレミスでSIビジネスが中心だったが、パンデミックにより、より小さな企業のテレワークやDXが加速し、クラウドビジネスがオンプレミスを大きく逆転している。われわれの戦略がパンデミックによって加速したという状況だ。ネットワーク、セキュリティでできた大きな基盤を、今後はコラボレーションやハイブリッドワークといったクラウドシフトを加速していきたい」と述べた。
これまで国内のSMBビジネスを統括してきた鎌田氏は、今後、アジア太平洋地域のSMBビジネスを統括することになり、国内は執行役員 SMB・デジタル事業統括 石黒圭祐氏が担当する。
石黒氏は、「ネットワーク、セキュリティ、コラボレーションの3つの要素をうまく掛け合わせながら、安全なネットワークをどう実現していくのか、ハイブリッドワークといった新しい働き方を中小企業において、パートナーとともに届けていきたい。そのために、新たなチャネルが重要になってくる」と述べ、パートナーとの連携、オンライン体験の拡充、市場への新たなルート開拓という3つの重点戦略を実施していくという。
パートナーとの連携では、NTT 東日本がオフィス・店舗向けマネージドWi-Fi サービス「ギガらくWi-Fi やマネージドSD-WANサービスを提供しており、リコージャパンはMerakiのスマートサービスを全国で提供し、いずれも契約者を大きく伸ばしているという。
オンライン体験の拡充では、Amazonでの販売製品やカテゴリの拡大、Webex.comでは、Slidoの機能をWebexの基本機能に統合し、より低価格で提供する。
新たなルート開拓では、コンシューマで有名なチャネルと提携していく。現在、ビックカメラとの提携を検討し、交渉しているという。