ウェザーニューズは1月12日、気象データ提供・分析サービス「WxTech(ウェザーテック)」において、電気事業者向けに1キロメートルメッシュの高解像度な日射量予測を用いた太陽光発電量予測データのAPI(Application Programming Interface)提供を開始したことを発表した。
2022年4月にFIP(Feed-in-Premium)制度が開始されることで、太陽光発電量の計画値と実績値の誤差が売電収支に大きく影響すると予想されることから、電気事業者にとって太陽光発電量の予測精度向上が急務となっている。これに対し、同社は日射量予測モデルを改善して一般的な予測と比較して精度を11%向上し、日射量データを用いた高精度な太陽光発電量予測モデルを開発したとのことだ。
FIP制度とは、卸電力取引市場や相対取引で再エネ発電事業者が市場に売電した場合に、基準価格(FIP価格)と市場価格の差額をプレミアムとして交付することにより投資インセンティブを確保する制度だ。(資源エネルギー庁)
同サービスは、電気事業者の運用に適した30分間隔の太陽光発電量予測データを最大72時間先までAPIなどで提供するものだ。データはクラウドを経由してAPIで提供するため、自社独自のシステムとも連携可能だ。専用のWebサイトでは、データをCSVファイルでも提供する。
太陽光発電量予測データは、発電所の緯度経度やソーラーパネルの出力、方位角・傾斜角、PCS(パワーコンディショナー)出力・効率などの情報からピンポイントな発電量予測データを算出する「物理モデル」と、過去の発電量実績データと気象データをAIが学習することでより高精度に予測する「統計モデル」の2種から選択できる。
今後新設する発電所は過去の実績データがないため「統計モデル」の利用は困難であるが、「物理モデル」は発電所の情報を入力するだけで予測データを取得可能なため、これから新設する発電所でも即時に利用を開始可能だ。なお、発電を開始してから1年後には実績データを基に「統計モデル」への切り替えにも対応する。