ヤフーは1月12日、4月1日から社員一人一人のニーズに合わせて働く場所や環境を選択できる人事制度「どこでもオフィス」を拡充すると発表した。これにより、通勤手段の制限が緩和されて全国に居住できるようになる。
緊急事態宣言が解除され一部の企業において「オフィス回帰」の動きもある中で、同社はより柔軟な働き方によってダイバーシティの推進を図る。「どこでもオフィス」は同社に所属する全国の正社員、契約社員、嘱託社員約8000人を対象としており、社員のウェルビーイング向上によるパフォーマンスの最大化を目指すとのことだ。
具体的な施策の一つとして通勤手段の制限を撤廃する。これによって、これまで認めていなかった特急や飛行機、高速バスでの出社が可能になる。また、1日あたり片道6500円(1カ月あたり15万円)を上限としていた交通費の上限も撤廃するという。
従来は「出社指示があった際に午前11時までに出社できる範囲」に限定していた居住地も、これを撤廃することで、4月1日からは日本国内どこでも居住できるようになる。
さらに、働く環境を整備するための「どこでもオフィス手当」を増額し、毎月最大1万円(どこでもオフィス手当5000円 + 通信費補助5000円)の補助を支給する。また、コミュニケーションの活性化を目的として、社員間の懇親会に使用される飲食費を1人あたり1カ月に5000円補助する。
加えて、タブレット端末の仕様希望者については業務用PCとは別にこれを支給する。社員のさらなる生産性向上を目的とした取り組みであり、社員の業務スタイルやニーズに合わせて、適切なデバイスを選択可能になるとのことだ。
同社はこれまでにも、働く場所を自由に選択できる「どこでもオフィス」を掲げてリモートワークの回数制限を撤廃するなど新しい働き方を推進してきた。現在でも約9割の社員がリモートワークで業務に従事する中で、約9割の社員がリモート環境でも「パフォーマンスへの影響がなかった」「パフォーマンスが向上した」と回答するなど成果が見られているようだ。こうした取り組みによって、社内アンケートでは約8割の社員が現在のオンラインを前提とした職場環境に「満足」しているという結果が得られているという。