ASMLは1月7日(欧州時間)、2022年1月3日に独ベルリンにある露光装置向け部品製造工場で発生した火災に関して、過去数日間にわたって予備調査を実施した結果を発表した。

それによると、工場敷地内にある生産建屋の一部で火災が発生し、煙が隣接するビルに部分的に影響を与えたというが、すでにこれらの建物の一部で生産を再開することができているとする。また、敷地内の他の建物は影響を受けていないとしている。

被害の影響調査は進行中であるが、7日時点の同社による見解は次のとおりとなっている。

  • 計測および検査装置:ベルリンで製造された露光装置用のコンポーネントを使用していないため、製品出荷計画は影響を受けない。
  • DUV露光装置:部品の製造を再開。DUV露光装置のコンポーネントに関しては多少の混乱があったが、DUV露光装置の出荷および収益計画に影響を与えないように調整する予定である。
  • EUV露光装置:火災は、EUVシステムのモジュールであるウェハクランプ(ウェハを動かぬように固定するための治具)の生産エリアの一部に影響を及ぼした。現在、この生産エリアの復旧計画を立てたところで、出荷計画とフィールドサービスの両方でEUV露光装置の顧客への潜在的な影響を最小限に抑える方法を検討している。

なお同社は2022年1月19日に、2021年第4四半期ならびに2021年通年の業績、および2022年の最初の見通しを発表する予定としているが、その際にこの火災に関する新たな情報を発表するとしている。