電通デジタルは1月11日、日経BPコンサルティングに委託して実施した「日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査(2021年度)」の結果を発表した。「顧客の期待に応えられていない」企業が約4割と、コロナ禍でDXがさらなる全社重要課題であることが浮き彫りとなった。
同調査は、従業員数500人以上の国内企業所属者(経営者・役員クラス、本部長・事業部長/部長クラス、課長クラス、係長・主任クラス)を対象に、DXの取組状況やDXの取組領域、新型コロナ流行によるDXへの影響、DXの計画・推進上の障壁・課題、DX人材に関する具体的な課題、コロナ禍による顧客接点の見直しの取り組み度合いなどに点いて調査したもの。2017年より調査を続け、今回で5回目の実施となる。
それによると、日本企業の81%が既にDXに着手しており、2020年から7%、また新型コロナ流行前の2019年からは11%増加した。新型コロナによるDXの重要度の変化については、「新型コロナの影響により自社のDXへの重要度が高まった」と回答した企業が65%に上った。また、変化する消費者や顧客の期待に応えられていると思うか?という問いには「顧客の期待に応えられていない」と回答した企業が39.2%に上った。一方で「変化する顧客の期待に応えられている」と回答した企業ほど、DXへの取り組みが進んでいる割合が高かった。
さらに、DXで既に「成果が出ている」とする企業と、「成果が出てない」とした企業の取り組み内容を比較したところ、成果が出ている企業は「デジタル時代に対応した事業ドメインへの進化」や「デジタル全社戦略立案」「新規サービス開発」など、デジタル対応による企業全体の変革や進化に取り組んでいることが明らかになった。
時代の変化やデジタル活用を取り入れた企業全体のミッションや目的を再定義し、既存事業や一部の組織に留まることなく企業全体の変革を進めることが、顧客ニーズへの対応、DXの成果への近道であることが浮き彫りになった。