ベルギーimecは、200mmシリコン基板上のp-GaN HEMTベースの200V GaN-on-SOIパワーICプラットフォーム上に高性能ショットキーバリアダイオードと空乏モードHEMTをモノリシックに集積することに成功したと発表した。
現在のGaNパワーエレクトロニクスは、スイッチング信号を生成する外部ドライバICによって駆動されるディスクリートコンポーネントによって支配されているが、高速スイッチング速度を最大限に活用するには、GaNパワーデバイスとドライバ機能のモノリシックな集積が必要とされている。今回の取り組みにより、複数のコンポーネントをGaN ICに追加することができるようになり、チップ設計に際してGaN ICの機能拡張を図れ、より小型かつ効率的なDC/DCコンバータとポイントオブロードコンバータへの道を開くとimecは説明している。
imecのGaNパワーシステム開発担当ディレクタのStefaan Decoutere氏は、「eモード(エンハンスメントモード)とdモード(デプレッションモード)のHEMTを組み合わせて使用することで、GaN ICの性能を向上させることができた。集積されたdモードHEMTを使用してSOI上の機能的なeモードHEMTプラットフォームを拡張することにより、RTLから直接結合FETロジックへのステップを踏み出すことができ、これにより速度向上と低消費電力の両立につながることが期待される 」と述べている。
また、GaNパワーICでのもう1つの重要なコンポーネントはショットキーバリアダイオードであり、Si製品と比較して、より高いブロッキング電圧とスイッチング損失低減を兼ね備えている。
同氏は、「200V GaN-on-SOI eモードHEMT GaN ICプラットフォームを、モノリシックに集積された高性能ショットキーバリアダイオードとdモードHEMTで拡張した。これにより、GaNベースのスマートパワーICの実現を進めることができるようになる。次のステップは、このプラットフォームの650Vバージョンを開発することである。GaN-on-SOIテクノロジーのターゲットアプリケーションには、高電圧電力スイッチングと電力変換、携帯電話、タブレット、ラップトップ用の高速充電器、電気自動車用の車載充電器、およびグリッドへのソーラーパネル接続用のインバーターなどがあげられる」としている。