韓国の原子間力顕微鏡(AFM)メーカーであるPark Systemsが、先端半導体製造で使用されるEUVリソグラフィ向けマスク検査装置を開発し、韓国内外のロジックファウンドリにおける試用を踏まえ、間もなく正式な供給契約を結ぶ可能性があると韓国の電子産業メディアThe Elecが報じている。

EUVマスク検査装置は現在、日本のレーザーテックが、光学技術を使用したものを供給しているが、Park Systemsが開発したEUVマスク検査装置は、電子ビームやレーザー光線の代わりにAFMの技術を用いることで、マスク上の欠陥を探すだけでなく、欠陥を分析して改善を促すこともできるという。

Park Systemsは、創業者で最高経営責任者(CEO)であるサンイル・パーク博士が、AFM技術を手掛けてきたスタンフォード大学のケルビン・クエート教授に師事した後、1997年に帰国して立ち上げたAFM専業メーカー。現在、米国、ドイツ、中国、シンガポールなど世界10か国に海外法人を置いており、日本にも、東京にパーク・システムズ・ジャパンを設置している。

Park SystemsのAFMは独自開発の「フラットスキャン」技術を特徴としているという。一般的なAFMに使われるチューブタイプスキャナ(圧電素子)は原理上、広い範囲や凹凸が大きいサンプルの測定には向いていないが、フラットスキャン技術はXY軸のスキャナとZ軸のスキャナを分離することで水平方向に歪みのない動作を実現しているとする。また、サンプル表面に接触しない「ノンコンタクトモード」も強みの1つで、原子間力によりプローブとサンプル間の距離を数nmに維持することで、チップやサンプルの損傷を低減することが可能であり、高分解能のスキャニングを長く継続できると同社では説明している。同社はこれらの技術をEUVマスク検査技術に応用することで製品化を進めているという。