TSMCの2022年における設備投資額は2021年の300億ドルから最大で4割増となる420億ドルへと急騰する可能性があるとする台湾半導体製造装置業界関係者の見方を台湾メディアの工商時報が報じている。
台湾域内のほか、米国、中国、日本といった海外での工場新設や生産能力の拡大を進める中で、インフレや建設コスト、インフラ整備や配管工事コスト、そうした建設に従事する労働者の人件費増大なども一因とされる。正確な設備投資計画については、TSMCが1月13日に開く2021年第4四半期の業績説明会で発表するとみられる。
TSMCの年間設備投資額については、2018年までは100億ドル前後で推移してきたものの、2019年に149億ドルと上昇して以降、2000年に172.4億ドル、2021年に300億ドルと増加の一途を辿っている。もし2022年も420億ドル規模の設備投資となれば、同社が今後3年間にわたって行うとしている1000億ドルという従来の投資計画から1120億ドル規模へと引き上げられる可能性も出てくる。
TSMCは、南部科学園区にあるFab18にて、5~3nmプロセス向け生産ライン(P4、P5、P6)の敷設が完了し、2022年にはP7およびP8ラインの着工を予定しているほか、高雄市の7/28nm工場、新竹科学園区宝山用地の2nmファブも着工し、2024年からの量産開始を予定している。米アリゾナ州の5nmファブ建設もすでに開始しているほか、中国・南京市の28nmファブも拡張工事も計画通りに、製造装置の搬入が始まったという。日本・熊本県の28/22nmファブも2022年に着工し、2024年からの量産開始を予定している。