富士通と韓国KT Corporation(以下、KT)は1月6日、韓国のソウル特別市にあるKT研究開発センターにおいて、NTTドコモの技術協力によりオープンRANに対応した富士通製5G(第5世代移動通信システム)基地局を導入した検証設備を構築し、オープンフロントホールにおける接続試験に成功したことを発表した。
今回の検証設備により、KTは韓国の5GネットワークへのオープンRANの導入検討を推進する。また今回の試験成功を受け、3社はNTTドコモらが推進する「5GオープンRANエコシステム」と連携し、共同でvRAN(ソフトウェア基地局)やRIC(RANインテリジェント制御部)などの導入を進める覚書を締結した。
オープンRANとは、無線基地局の仕様をオープンかつ標準化することによってさまざまなベンダーの機器やシステムとの相互接続を可能とする無線アクセスネットワーク(RAN)を指す。
今回の検証設備で使用された富士通の5G基地局は、相互運用可能でオープンな無線アクセスネットワークの共通仕様策定を推進する業界団体「O-RAN ALLIANCE」の仕様である「O-RAN」の技術仕様に準拠するという。オープンフロントホールは、O-RANに準拠して標準化された、基地局の親局(CU/DU)と無線子局(RU)間のインタフェースとなる。
同検証では、5G基地局内の親局(CU/DU)と、韓国ベンダーの5G基地局内の無線子局(RU)との接続検証およびエンドツーエンドの通信試験を行い、O-RANの技術仕様に準拠した動作を確認したとのことだ。
RANにおけるマルチベンダー構成を実現することで、省スペースでありながら都心の通信が集中する場所をカバー可能な小型基地局や、反対に広いエリアをカバーできる基地局など、展開シナリオに応じた最適なソリューションの採用に寄与する。さらに、仕様をオープンにしているため安全性や透明性の高いRANの構築が可能としている。