ASMLの部品製造子会社で火災が発生
ASMLは1月3日、2022年1月2日夜に独ベルリンの部品製造子会社の工場の一部で火災が発生したと発表した。現地の消防当局によれば、敷地面積3万2000平方メートルの同工場のうち、火災の影響を受けたのは約200平方メートルで、火災発生後は、影響を受けた部分のみを閉鎖し、それ以外の部分は操業を継続しているという。閉鎖に伴う影響を見極めるには数日かかる見込みとのことで、火災の原因や閉鎖期間の見通しなどについては明らかになっていない。
ASMLによると、ASML Berlinは2020年に買収したBerliner Glasを社名変更したもので、ウェハテーブルとクランプ、レチクルチャック、ミラーブロックなど、ASMLのリソグラフィシステム用の各種コンポーネントを製造している子会社という位置づけだという。
今回の火災の影響で、もしこれらのコンポーネントが損傷していることとなれば、ASMLの手掛ける露光装置の出荷が遅れ、世界的な半導体不足がさらに深刻化するとの懸念が広がっている。
台湾ではM6クラスの地震が発生、半導体生産に影響はなしの模様
2022年1月3日午後5時46分ごろ、台湾の東海岸沖を震源地としてマグニチュード6.0(M6.0)前後の地震が発生した。台湾のファウンドリやDRAMファブのほとんどが台湾北部ないし中央部にあるため、TrendForceの調査によると、主だったファブの製造装置への顕著な被害は出ていないという。そのため、各工場ともに操業を平常通り継続していくことが見込まれ、今回の地震による半導体生産への影響は限定的なものに留まるとみられるという。
西安の都市封鎖でMicronのDRAM出荷に影響
Micron Technologyは2021年12月29日、中国・西安市の都市封鎖の影響で、DRAMの組み立て・検査を担当する従業員たちが出社できず労働力が不足し、一部のコンピュータ用半導体メモリの生産が影響を受けていることを明らかにした。
同社によると「都市閉鎖されている西安の後工程ファブにおけるMicronや協力会社の社員の出社が難しくなっており、DRAMの組み立てや最終テスト作業、出荷に影響が生じている」という。同社では、同様の課題に直面している当該地域にて事業を行っているサプライヤや地方自治体と協力して、状況の影響を最小限に抑え、現場での安全な運用を維持できるよう最善の努力をしているが、短期的には出荷遅延が生じる可能性があるとしている。また、DRAMを求める顧客への出荷を継続するため、協力会社も含め世界的なサプライチェーンを活用するが、さらに規制が厳しくなれば、出荷への影響は避けられないとしている。
同じく西安市のSamsung Electronicsの3D NAND工場も、操業継続の許可を得て操業を続けていたが、市民の外出禁止により従業員の出社が難しくなったことを受け、12月29日に生産調整(生産休止ではなく減産)に入っていることを明らかにしている。
TrendForceによると、新型コロナによる西安市の都市封鎖に伴うSamsungのNANDとMicronのDRAM生産が影響を受けることで、メモリ市場に混乱が生じ、その結果、メモリスポット価格は上昇する事態となっていることから、今後、大口契約価格がどのように変化していくか注意深く観察する必要があるとしている。