韓Seoul Semiconductor(ソウル半導体)は、1月5日から米国ラスベガスで開催される「CES 2022」にて、自動運転車用マイクロLEDディスプレイを含む3種類の最新LED技術を展示すると発表した。

その3種類の技術概要は以下の通り。

  • 自動運転車の外部に装着可能で太陽光の下でも判読可能なマイクロディスプレイ技術「WICOP mc」
  • 対向車や歩行者のまぶしさなどの不便さを最小化する人工知能搭載ヘッドランプ技術「WICOP ADB」
  • 自動車の室内空間向け除菌ソリューション「Violeds」

同社によると、WICOP mcは自動運転車の車外に取り付けられたディスプレイに運転者と車の状況などをテキストで表示することで、周辺の自動車や自転車、歩行者と安全のための情報を表示する技術だという。従来の1000ニット(nits)未満の液晶や有機ELディスプレイの明るさでは、太陽光に直接露出する車外ディスプレイをくっきりと表示することが不可能であったが、マイクロLED技術を採用したWICOP mcでは、従来ディスプレイ技術を大きく上回る5000ニット以上の明るさを実現できるため、太陽光の下でもくっきりと見えるとするほか、高解像度の画質によるメッセージ表示も可能とし、防湿・防塵性能も提供するという。

WICOP ADB(Adaptive Driving Beam)は前方を走行する車両や反対車線を走る対向車両の走行状況に合わせて精密にヘッドランプを制御できるインテリジェントヘッドランプ。LEDチップサイズと間隔を最小化することで、既存製品比で精巧な個別点灯コントロールを可能としたという。

  • WICOP

    従来構造のLED(左上)と第2世代LEDであるWICOP(左下)、ワイヤもパッケージも不要のWICOP(右) (出所:Seoul Semiconductor)

ちなみに同社によると、WICOPmcとWICOP ADBの基本技術であるWICOPは、すでに世界の車両の約10%に適用されているという。

また除菌ソリューションとしては、社内の研究室で実車を使った車内空間のウイルス殺菌実験を行う取り組みの成果として、UV LEDの照射で車内に浮遊するウイルスの90%以上を10分以内に除菌できることを示すソリューションをデモンストレーションをCES 2022にて行うとしており、同社では2022年1月より自動車メーカーに向けてVioledsの量産を開始するとしている。

  • aウイルス除去

    車内空間における除菌研究の様子 (出所:Seoul Semiconductor)