アドビ 代表取締役社長 神谷知信氏は、2022年の年頭所感を発表した。
あけましておめでとうございます。謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
2021年はついに東京オリンピックが実現し、日本は金メダル27個を含む計58個と、史上最多のメダル獲得を記録しました。コロナ禍でのオリンピックは、無観客試合を余儀なくされましたが、ライブ配信の視聴者数が大幅にのび、新たな視聴スタイルが生まれました。テレワークが一般的になり、転勤や単身赴任を廃止する企業がでてくるなど、働き方が変化してきています。2021年9月1日にはデジタル庁が発足。誰一人残さない、人にやさしいデジタル化を目指しており、デジタルを中心とした生活は、国をあげて進展していくことでしょう。
一方で、アドビの未来の働き方調査の結果から、日本ではオフィスでの業務に比べ、テレワーク環境では効率的な働き方ができていない実態も浮き彫りになりました。デジタルを中心としたビジネスや働き方には、ツールを導入するだけではなく文化の変革も重要だと再認識しました。同じくアドビが実施した「アフターコロナに向けたデジタル戦略に関する調査」によると、コロナ禍での業績縮小の抑制にデジタルマーケティングが貢献していたことがわかりました。今後もデジタルを中心に据えたビジネスへの変革は進み、デジタルファーストエコノミーはさらに加速していくと確信しています。
このようにデジタルトランスフォーメーションが広がる日本において、昨年アドビは「心、おどる、デジタル」というビジョンを発表しました。デジタルによって効率性や生産性を高めるだけではなく、優れたコンテンツをより適切な人に適切なタイミングで届けることで最高の顧客体験を作っていく。私たちは、目の前の課題を解決するだけではなく、その一歩先にある新しい社会や働き方を見据え、他ではなし得ない喜びと感動をデジタルの力で創造することこそが真のデジタルトランスフォーメーションであると考えています。それには人の自由な発想や創造力(クリエイティビティ)が重要です。このような私たちのデジタルに対する考え方を「心、おどる、デジタル」というビジョンに込めました。
今年、アドビは創業40周年、アドビジャパンは30周年と、節目となる1年を迎えます。アドビはこれからも引き続き、「心、おどる 、デジタル」のビジョンのもと、3つのクラウドを横断して「世界を動かすデジタル体験」の実現をサポートしてまいります。Creative Cloudでプロのクリエイターだけでなく幅広いユーザーの「つくる力」を解き放ち、Document Cloudにより文書業務を効率的に行うデジタルワークフローを支え、そしてExperience Cloudでデジタルビジネスを強化し、収益性とロイヤリティを促進する顧客体験の設計と提供を支援することで、生産性の向上にとどまらず、お客様にとって価値を生み出すDXをサポートします。
日本で30年間寄り添ってくださったお客様、アドビのビジョンを共有する数多くのパートナー、フィードバックをくださり、ユーザー同士の活発な交流を展開するコミュニティと連携し、今後もお客様や社会に新しい価値を提供する強力なエコシステムの構築を一層進めてまいります。
皆様とともに、この記念すべき1年を迎えられたことを、非常に光栄に思います。最後になりましたが、皆様のご健康とご多幸をお祈りして、新年のご挨拶とさせていただきます。