新型コロナウイルス感染症の感染拡大が確認された中国の西安市が12月23日より、厳しいロックダウン(都市封鎖)に踏み切ったと海外メディアが一斉に報じた。
人口1300万人の大都市の住民全員に自宅からの外出禁止が義務付けられ、家族のうち1人だけが2日に1回だけ生活必需品の購入のために外出が許されるという状況で、学校などもすべて閉鎖され、西安へと他地域から続く道路や空港は閉鎖、公共交通機関も運行停止となっているという。
同地には、Samsung Electronicsの3D NAND(V-NAND)工場やMicron Technologyの後工程工場、EVを手掛けるBYDなど、大手製造業の生産拠点が複数あり、中国の防疫当局の強い規制で半導体や自動車産業のサプライチェーンにも影響がおよぶことが懸念されると複数の海外メディアが伝えている。
こうした懸念に対し、Samsungの広報担当者は、西安での半導体生産は支障が生じていないとし、「半導体工場でも徹底した防疫措置を実施している」と述べたと韓国の一部のメディアが報じている。同社の西安工場は2014年からV-NANDの本格生産を開始したファブ1と、2020年より製品の出荷を開始したファブ2があり、ファブ2は現在、ライン増設が進められており、これが完了すれば2つのファブ合計で月産25万枚規模の生産量を有する規模となるという。一方のMicronの後工程工場も稼働は継続しているという。ただし、2020年初頭の武漢の都市封鎖の際でもYMTCの工場などが操業継続が許可されていたが、工場までたどり着ける従業員の数が少なかったほか、市外からの生産資材の搬入にも支障をきたしたことから、稼働率をかなり落としたと言われており、今回もそれと似たような事態となることが予想される。
なお、Essential Workである半導体工場は稼働しているものの、西安市内にあるBYDの新エネルギー車の工場は閉鎖され、特別な事情がない限り職員の出入りも許可されていない模様だとされており、同社以外にもEssential Workに認定されていない工場の多くが閉鎖に追い込まれている模様である。