日清食品グループでは、2020年1月よりノーコード/ローコード開発ツールを導入してシステムの内製化を進めている。目指すのは、現場が自らシステムを作ること。主体は業務部門で、IT部門はサポート役として取り組みを推進しているという。

日清食品ホールディングスでCIOグループ情報責任者を務める成田敏博氏が、10月26日にTECH+がオンライン開催した「ローコード/ノーコード開発 Day 2021 Oct.」でその取り組みについて紹介した。

デジタルを武装せよ

日清食品グループは、2030年までの中長期成長戦略において「EARTH FOOD CREATORとして、価値の持続と価値の飛躍のため既存事業と新規事業を共に成長させる」というストーリーを描き、活動テーマとしてデジタル化とビジネスモデル自体の変革を目指す「NISSIN Business Xformation(NBX)」を掲げている。

デジタル化については「DIGITIZE YOUR ARMS(デジタルを武装せよ)」をスローガンに、2019年は「脱紙文化元年」、2020年は「エブリディテレワーク」といったように、マイルストーンに設定して取り組みを進めてきた。現在のマイルストーンは2023年の「ルーチンワークの50%減」だ。AIや業務自動化技術を活用することで、「ルーチンワークとしてやっていたことを半分の工数で終わらせ、残りの時間をよりクリエイティブな企画業務などに使う」ことを目指す。

そんな同グループがノーコード/ローコード開発ツールの活用に向けて取り組みを始めたのは、2020年1月頃だ。その目的について成田氏は、「IT部門だけでなく、業務部門自らがデジタルを駆使してこれまでの業務を見直し、改善していくこと」だと說明する。

  • 日清食品ホールディングス CIOグループ情報責任者 成田敏博氏

導入したツールは、サイボウズの「kintone」に「gusuku Customine」を組み合わせたものと、「Microsoft PowerApps」の大きく2つ。前者はノーコードで開発を進めていくためのプラットフォームであり、後者はモバイルアプリを作成する目的で採用したプラットフォームだ。