三井住友カードとSB C&Sは12月16日、探し物トラッカー「Tile(タイル)」機能を搭載したVisaのクレジットカード「三井住友カード Tile」を共同開発し、同日より予約を開始すると発表した。
探し物トラッカー「Tile」の機能により、スマートフォンからクレジットカードの接続が切れた場所をアプリで確認できる。したがって、紛失したクレジットカードを見つけるだけでなく、クレジットカードを財布に入れておけば財布を落とした時に財布ごと見つけることも可能だ。
また、同クレジットカードは物理スイッチとスピーカーを搭載しており、スマートフォンのボタンを押せばカードが鳴り、カードのスイッチを押せばスマートフォンを鳴らすことができる。
そのため、部屋やバッグの中でカードやスマートフォンが見つからない場合、このスイッチを押せば音で見つけやすくなる。さらにTileはスマートスピーカーにも対応しているので、スマートスピーカーに呼びかけてカードの音を鳴らすといった使い方も可能だとしている。
従来のクレジットカードと同じサイズで、ICチップの搭載やタッチ決済に対応している。0.76ミリメートルという薄さにバッテリーも内蔵しており、この薄型バッテリーは、1000回以上の屈曲テストをクリアしているという。充電端子も兼ねており、付属の専用充電器で2~3時間でフル充電でき、最長半年間の利用が可能。充電が切れてもクレジットカード機能は使用できる。
新型コロナウイルス感染症が流行している状況下、クレジットカードの利用は、飲食店や旅行業界では減少している一方で、コンビニやスーパーといった日常生活に身近な業界では拡大している。三井住友カードの調査によると、決済件数は全体でコロナ前2019年対比で30%増加となっているとのこと。
しかし、不正利用や紛失・盗難への不安は依然として大きいままだ。消費者庁が発表しているキャッシュレス決済に関する意識調査の結果によると、キャッシュレス決済における懸念点としては、「個人情報の流出などの不正利用」が55.3%と一番多く、41.6%が「カードの紛失・盗難」と回答している。
両社は16日より初回1,500枚の先行予約を開始し、1月中旬以降に順次発行する。発行手数料は5,500円で年会費は1,375円。なお、キャッシング機能はなく、ATMや券売機など、カードを出し入れする端末では利用できないとのことだ。