東京大学発AIスタートアップの燈(あかり)と大成建設は12月16日、建物の3次元モデルに加えて部材や仕上げなどの属性情報も有するBIM(Building Infomation Modeling)の設計情報をダッシュボード化し、可視化するBIツールの開発を発表した。

同ツールを用いて、従来は設計図書と呼ばれる辞書のような厚さの紙書類にまとめられていた設計情報をデータベースに抽出し、ダッシュボード上に可視化することができる。

  • BIツールのイメージ(建具版)

同ツールの活用で視覚的な設計情報の整理・把握・伝達し、情報理解の促進と分析の実行、データドリブンな施策検討が実現されることで、発注・施工計画をはじめとするさまざまな業務の工数の最適化が期待できる。

  • BIMを用いた設計情報のデータベース化のワークフローの概略

両社は複数のプロジェクトで協働しており、同ツールの開発は建物に関する情報を分解・再構築する包括的な取り組みの一環となる。今後、両社は同ツールの現場活用によって、BIMをデータ基盤としたDXの実現を目指す。

建設業界では、現場作業の意思決定において設計図書が活用されてる。設計図書には多くの情報がまとまっているものの、データの構造化がなされておらず、必要な設計情報の横断的な整理と把握(室名/仕上げ/面積/建具など)には作業所長/設計部長クラスのベテラン社員の経験と知見を要することから、業務フローのボトルネックとなっているという。