凸版印刷は12月16日、実店舗向けのカード決済連動型サービス(CLO:Card Linked Offer)となる「トッパンCLOサービス」の試験提供を2021年度中に開始すると発表した。

CLOは、電子クーポンやオンライン・キャンペーンといった特典にクレジットカードを事前登録しておくことで、登録したカードで支払いを行った際に自動的に割引や特典を受けられるサービスだ。従来は、カード会社ごとに異なったシステムやオペレーションに対応するため、店舗側はCLOの導入にあたって追加機器の導入やレジの改修、オペレーション変更などを行う必要があった。

トッパンCLOサービスは、金融インフラストラクチャーAPIを提供する英FIDEL社と提携してCLO基盤を構築したことで、どのクレジットカード会社の仕組みにも対応できるオープンなサービスとなっている。同サービスを活用することで、店舗はカード会社ごとに必要となるPOSレジ改修や新たな店舗オペレーションなどの負担をかけずにCLOを導入し、カード利用者へ特典を付与できる。

  • 「トッパンCLOサービス」のサービスイメージ

同サービスは、カード利用者が店舗で買い物をした時のみ、決済金額に応じて店舗側が凸版印刷に広告費を支払う成果報酬型のサービスとなるので、店舗は集客施策の費用対効果を明確にできる。

凸版印刷は、同サービスをまずは一部の加盟店に展開し、順次使用可能なクレジットカードブランドを拡大していく。また、今後は同サービスを通してオンラインからオフライン集客をトラッキングする仕組みを構築し、集客効果の可視化と購買情報を含めたデータ収集により、メーカーから小売まで生活者データを機軸としたスマートサプライチェーンマネジメントの実現を目指すという。