全日本交通運輸産業労働組合協議会(以下、交運労協)はこのほど、全国の公共交通機関や物流・宅配、観光産業の現場で働く2万908名を対象に実施した、利用者による働く人たちへのカスタマーハラスメント(通称:カスハラ)の悪質クレーム・迷惑行為に関するアンケート結果を公開した。
直近2年以内で利用者などから迷惑行為の被害にあったかどうかを聞いたところ、46.6%が迷惑行為の経験があると回答した。被害数については、77.3%が「1回~5回」と回答したが、鉄道、バス、海運港湾などの業種において11回以上経験した人が10%を超えた。
続いて、直近2年以内で迷惑行為は増えていると感じるかを聞いたところ、「航空」が69.1%と最も多く、これに、「バス(63.8%)」「トラック(56.5%)」「鉄道(54.4%)」が続いている。
:最も印象に残っている迷惑行為については、暴言が第1位となり、これに「同じ内容を繰り替すクレーム」、「威嚇・脅迫」が続いた。
産業別に迷惑行為の特徴を見ると、「暴力行為」は「鉄道」「タクシー」で多く、スマートフォン普及で増加したハラスメント「SNS・ネット上での誹謗中傷」が多いのは「鉄道」「トラック」「バス」となった。
また、「土下座の強要」は「鉄道」、「バス」、「タクシー」で多く、「金品の要求」が多いのは「タクシー」「観光業」だったとのこと。