12月15日から17日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている「SEMICON Japan 2021 Hybrid」にてSEAJ(日本半導体製造装置協会)ブースでは、ロジック半導体のトランジスタ構造の変化を模型を使って紹介している。

ロジック半導体のトランジスタは、そのプロセスノードに応じて変化を遂げてきた。28nmプロセス付近まで活用されてきたのがプレーナ型と呼ばれるタイプで、半導体の初期から、これまで長きにわたって使用されてきた。いわゆる一般的な半導体トランジスタ構造。よく半導体の作り方系の記事などで図としても示される形である。

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  • プレーナ型の模型とそれぞれの色の意味

しかし、プロセスの微細化に伴い、リーク電流の増大などの問題などにより、従来のプレーナ型ではゲート電圧でソース-ドレイン間の電流を完全にオン/オフ制御できなくなるという課題が生じたことから、2011年にIntelがチャネル周囲をゲートで囲う3次元トライゲート・トランジスタ構造、いわゆるFinFETを採用したことを皮切りに、現在のTSMCの言う5/4nmプロセスまでの先端プロセスで活用されるようになってきた。

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  • 現在の先端プロセスで活用されているFinFET構造の模型

そしてSamsung Electronicsが3nmから、TSMCなどでも2nmから採用しようとしているのがGAA(Gate-All-Around)ナノシート積層構造となる。さらにimecがナノシートの次のトランジスタとして有力視しているのがフォークシート構造であり、その先を見据えたトランジスタ構造がComplementaryFET(CFET)である。フォークシート構造は、nMOSとpMOSの間に壁を設けることで、トランジスタを高密度に集積しようというもの。CFETは、nMOSとpMOSを縦方向に積層していくことで、さらに性能を引き上げることを目指したものとなる。ちなみに模型は置かれていないが、CFET以降についても、すでにさまざまなアイデアが発表されている、という一文が最後に添えられており、まだまだ半導体の進化が続くことが示されている。

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  • 次世代トランジスタ構造となる予定のナノシート積層構造の模型

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  • GAAの次と考えられているフォークシート構造の模型

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  • そしてフォークシート構造の先として考えられているCFET構造の模型

半導体を知るためのクイズも用意

このほか、SEAJブースでは、SEAJのWebサイトでもおなじみの半導体ができるまでの一連の流れを図示したパネル展示を見ることができるほか、半導体クイズコーナーも用意されている。クイズコーナーに用意されている問題は8問。中にはかなりマニアックな問題も見受けられた。もし、会場に赴く人で半導体業界の動向に自信がある人は挑戦してみると良いだろう。ちなみに、クイズの正解数に関わらず、コーナー最後に参加賞が用意されているので、参加した人は1人1つ持ち帰ることができるようになっている(参加賞は複数種類用意されている)。

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    半導体クイズコーナーの入り口の看板。どういった問題が出ているのかは、実際に自分の目で確かめてもらいたい