オンライン決済サービスを提供するStripeは12月14日、35カ国以上の消費税、売上税、付加価値税(VAT)、物品サービス税(GST)の自動計算や申告地の法律に沿ったレポート作成などが可能になる「Stripe Tax」の日本での提供を発表した。

Stripe Taxは、同社がすでに提供している製品群のユーザー向けの新機能となる。同機能では、事業者と消費者の所在地情報と商品やサービスの税率を照合することによって、各国・州の税法に合った消費税などのレートを自動計算して、徴収すべき税金の種類と金額を自動的に算出できる。ユーザーには、税金と配送費用を加えた消費者への最終的な提供金額が提示される。

  • 税金の自動計算のイメージ

既存のStripeの製品に数行のコード追加する、もしくは、ノーコード製品ではダッシュボード上での設定変更をするだけで同機能を利用することができる。

このほか、自社の売上高と税の徴収と納付が必要になる閾値(しきいち)を比較して、消費税自動計算の対象への登録を促したり、納税申告に必要なレポートを作成したりと、税務業務の簡素化につながる機能が標準で実装されている。

  • すでに登録している国のほか、登録候補地も一覧できる

ストライプジャパン 共同代表取締役のダニエル・ヘフェルナン氏は、「Stripe Taxは、新たな分野を開拓するスタートアップからDX(デジタルトランスフォーメーション)を目指す上場企業まで、あらゆる企業の税務業務を簡素化できる。企業が海外展開する際にハードルの1つとなる税務処理をテクノロジーでサポートし、効率的な事業拡大およびグローバル展開を支援していきたい」と語った。

  • ストライプジャパン 共同代表取締役 ダニエル・ヘフェルナン氏

税務業務は年々複雑化しており、デジタルおよび物理的な商品は現在130カ国以上で課税され、米国だけでも1万1000以上の異なる税務管轄区があるという。各地の税制は頻繁に更新され、2019年に日本で導入された軽減税率のように、商品・サービスの細かな違いや利用方法などによって税率に微妙な差が生じることが多くある。

例えば、英国では、缶詰やビスケット型に加工された犬猫用のペットフード以外の動物用食品はVATの対象外となる。また、米テキサス州では、カウボーイブーツは課税対象外だが、ハイキングブーツは課税対象となる。

Stripeでは今後、会計事務所やTaxJar、Marosa、Taxuallyなどのパートナー企業との連携を通じて、納税まで行えるように同機能をアップデートしていく予定だという。