三菱電機は12月15日、利便性だけでなく安心安全を考慮した人間中心のAI(人工知能)の開発および利活用の推進を目的として、同社グループの「AI倫理ポリシー」策定したことを発表した。
「AI倫理ポリシー」前文
三菱電機グループは、たゆまぬ技術革新と限りない創造力により、活力とゆとりある社会の実現に貢献することを、企業理念として宣言しています。この理念にのっとり、AIの技術革新を通じて、社会課題を解決し持続可能な社会の実現に貢献します。三菱電機グループは、AI を開発・提供する者の責務として、利便性だけでなく安心・安全を考慮し AI を開発・利活用していきます。また、AI に関連する技術や社会の動向を踏まえて、多様なステークホルダーとの対話を通じて本ポリシーを進化させるとともに、人間中心の AI 社会の実現に貢献することで、もっと素晴らしい明日を切り拓いていきます。
グローバルにAIの利活用が活発化する中で、人権やプライバシーなどを侵害するリスクが高いと判断されたAIの利活用を制限する議論が進んでいる。経済協力開発機構(OECD)ではAIに関する原則として国際的な政策ガイドラインが採択されたほか、日本の内閣府では「人間中心のAI社会原則会議」で議論されてきた。
AI利活用において留意すべき原則を整理したガイドラインや、これを実践するためのガバナンス・ガイドラインの整理が進みつつある中で、同社は創立100周年を契機に新しい企業理念として「私たち三菱電機グループは、たゆまぬ技術革新と限りない創造力により、活力とゆとりある社会の実現に貢献します」を掲げた。
新たな企業理念に沿って定めた5つのマテリアリティ(重要課題)にもとづいて、「あらゆる人の尊重」を考慮したAIの開発や利活用を行うことで「持続可能な地球環境の実現」「安心・安全・快適な社会の実現」に貢献するとのことだ。