日本オラクルは12月13日、都立青山高等学校(東京都渋谷区)において「青山の街を自分事化して考えるスマートシティ・ワークショップ」を開催した。同イベントは10日に続いて実施されたものだ。
授業のテーマは「青山スマートシティ:SDGs × テクノロジー~自分事で考えよう~」である。10日は各クラス内で5名ほどのグループに分かれ、青山地区の課題を見つけるグループワークに取り組み、13日はSDGsの観点からテクノロジーで課題を解決する具体的なアイデアを各クラスの代表グループが発表した。
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授業に参加したのは同校の1年生約280名。1年7組の代表グループは「快適な移動を」を主テーマに設定し、青山地区の混雑緩和に寄与するソリューションを発表した。野球やラグビーの試合開催日に特に混雑する街の様子を課題と感じている生徒からの発案である。SDGsの「11.住み続けられるまちづくりを」を実現する狙いがあるという。
ソリューション名は「SORA-MICHI(ソラミチ)」だ。サイネージ(電子看板)と位置情報サービスを組み合わせて、混雑状況を可視化することで混雑緩和によるストレス軽減を図る。外苑前駅から神宮エリア周辺までをペデストリアンデッキでつなぎ、位置情報サービスから取得した混雑情報をサイネージに表示することで混雑の解消を促す。
「デッキ内に人がいない際には通路を透明化して、空の様子を眺められる機能も付けたい」と生徒はアイデアを膨らませていた。
ほかのクラスからは、東京ヤクルトスワローズのマスコットキャラクターをデザインしたごみ箱を設置して地域の美化を促すソリューションや、地域の飲食店と生徒を結ぶアプリケーションなどユニークなアイデアが発表された。
授業に参加した日本オラクルの執行役員 公共営業統括 副統括である本多充氏は、「この2日間のプログラムで学んだであろう『考える力』『伝える力』は社会人としても必要な技能なので、今後もみがいてほしい。新しいアイデアやテクノロジーの知識が相手に伝わるかどうかで結果が変わることもある。ぜひ、自身の経験として生かしてもらえれば」とコメントを述べた。
続けて同社の取締役 執行役社長である三澤智光氏が、「皆さんの発表を見て、実現できれば嬉しいアイデアがたくさんあると感じた。今回のディスカッションを通じて出てきたような、ちょっとしたアイデアが実は世の中を変えている。今回は相手の意見を否定しない姿勢でデザイン思考に挑戦してもらったが、この授業を通じて皆さんにも世の中をアイデアで変えられるような人材になってほしい」と発表を評して、授業を締めくくった。