竹中工務店と鹿島は12月14日、アクティオ、カナモトと共同開発したタワークレーン遠隔操作システム「TawaRemo (専用コックピットタイプ)」を、大阪市内の建設現場の解体作業に本格導入したことを発表した。
2020年4月には、東京都内の建築現場において、一部仮設材の荷下しを「TawaRemo(簡易コックピットタイプ)」を用いて行ったが、日中のすべての作業を遠隔操作で行うことは国内で初めてだという。
「TawaRemo(専用コックピットタイプ)」を用いて実際に建設資材を揚重した結果、従来のクレーン頂部に設置された運転席から操作する場合と同等の作業を行えることが確認できたとしている。また、高所にある運転席への昇降が不要となることで、オペレーターの作業環境が改善したとともに、運転席への昇降に要する時間(約30分)も削減され、生産性の向上にもつながった。
今後、2022年初旬には、カナモトが「TawaRemo(専用コックピットタイプ)」を5台~10 台を目標に増産、アクティオが「TawaRemo」の使用時期に応じて同社が保有するタワークレーンの改造を順次実施する計画で、これらを用いて鹿島および竹中工務店にて適用現場数を拡大していく方針。
「TawaRemo」の導入にあたっては、タワークレーンの操作に必要なコックピットを、操作時の臨場感を重視した専用タイプと、軽量で設置が容易な簡易タイプの2つから選択できる。
専用タイプのコックピットは、従来のクレーン運転席に設置した複数台のカメラ映像および荷重などの動作信号や異常信号を表示する各種モニターと、クレーンを操作するためのレバーやフットスイッチを配置した操縦席、クレーンの振動傾きを再現可能な振動台で構成される。
クレーンの始業前点検(目視点検)をはじめ各種操作をコックピットから行えるため、高所の運転席への昇降が不要になるなど、オペレーターの作業環境を改善できることが特長とのことだ。