KDDI、KDDI総合研究所、プロドローンは12月14日、水空合体ドローンを自律飛行させて遠隔で水中の様子を撮影する実証に成功したことを発表した。実証はJパワー若松総合事業所にて11月17日に実施したものだ。

  • 水空合体ドローンの実証イメージ

実証に使用した水空合体ドローンは、空中ドローンと水中ドローンが合体して空を飛ぶことと水に潜ることができる。モバイル通信にも対応しており、自律飛行と遠隔操作に加えて空中・水中カメラの映像のリアルタイム伝送が可能だ。

  • 水空合体ドローンの機体

また、音響測位装置を備えているため、衛星利用測位システム(GPS)が使えない水中のような環境でも位置情報を認識しながら潜航できるという。

  • 音響測位の仕組み

今回の実証では、水空合体ドローンを活用して、洋上風力発電設備の点検や漁礁となる藻場の状況調査を想定した水中撮影を実施した。同実証において水空合体ドローンを用いた安全かつ効率的な撮影に成功したため、従来のようにダイバーが水中撮影していた場合と比較してコストと時間の削減が期待できるとのことだ。

また、船を出さずに沿岸から水中の様子を確認できることから、日常的に船で養殖場や定置網の様子を確認している水産業監視だけでなく、洋上風力発電設備、ダム、橋脚などの水中インフラ点検、出航前の船底点検などへの応用も検討しているという。