半導体ウェハ業界3位の台GlobalWafersは、2021年11月の売上高が事前予想を上回る前年同月比17.1%増の54億9000万NTドル、1月~11月までの累計売上高も同10.7%増の558億3200万NTドルとなったことを発表した。
好業績に伴い、2021年第4四半期の売上高は過去最高を更新することが期待されるとのことで、年間売上高も2020年に続き、過去最高を記録する勢いだという。
台湾メディアによると、同社が顧客との間に交わしている長期契約の契約額は2021年第3四半期だけで223億8600万NTドルとなっており、すべての長期契約の金額を合算すると1000億NTドルを超す状況にあるという。また、業界関係者によると、すでに顧客はそのうちの2割程度の契約金を同社に前払いの形で支払っているという。
すでに同社のウェハ製造工場はフル稼働が続いており、これ以上の生産能力の向上はなかなか難しいことから、2022年の能力増量は限定的となることから、同社はシリコンウェハの不足は少なくとも2023年まで続くとの見通しを示している。
なお、GlobalWafersが独Siltronicを2020年12月10日に買収する契約を結んでから約1年が経つが、同社によれば、日本、台湾、米国、ドイツ、オーストリア、韓国、シンガポールの独占禁止法規制当局から許可をすでに得ているものの、まだすべての承認が得られてはいないという。この手続きが完了すれば、両社の売上高は合算で業界トップ2社とほぼ並ぶことになる。
また、GlobalWafersはGaNウェハやSiCウェハの製造にも成功したとしており、2021年12月21日から23日にかけて台北で開催される国際オプトエレクトロニクス展示会「OPTO Taiwan」にてそれらのウェハと協力会社による応用製品の展示を行う予定としている。同社によれば、6インチ(150mm)SiCウェハの月間生産能力は年末までに5000枚に拡大され、Si基板上に成長させた6インチGaNウェハの月間生産能力も2000枚を超える見通しだという。すでにSi基板上のGaNは4インチ(100mm)で少量出荷されており、将来的には6インチ(150mm)化を予定している。