Samsung Electronicsは12月7日、組織再編として、モバイル部門と家電部門を統合したセット部門(SET Division)と、半導体を中心とするデバイス部門(Device Solutions Division)の2つ部門とし、各部門の最高責任者(CEO)も交代する人事を発表した。
同社の売上高の6割を担うセット部門のCEO(副会長兼務)には家電部門にてテレビ事業を担当していた韓宗熙(Jong-Hee Han)氏が就任した。
従来通り半導体とディスプレーを担当するデバイス部門のCEOには、Samsung Electro-MechanicsのCEOで、フラッシュメモリ製品技術やDRAMの設計チームリーダーの経験もある慶桂顕(Kyehyun Kyung)氏が就任した。
現在、Samsung Electronicsの最高責任者は、故李健煕(Kun-Hee Lee)会長の長男で同社副会長を務める李在鎔(Jae-yong Lee)氏だが、同氏は前大統領への収賄罪で有罪となり、仮釈放の身であるため、自分がいなくても業務遂行できるように2人の新CEOに権限を集約することにしたようである。Samsungは、中国勢の追い上げに対処するとともに、新事業を早急に創出する体制に組織・人事更新したと説明している。一般社員についても、専門性に基づく能力重視の若手抜擢の仕組みに制度を変更したともしている。
なお、デバイス部門はかつて、手持ち現金(現在120兆ウォン)で海外の半導体企業を買収し、車載半導体ビジネスを強化するとしており、NXP SemiconductorsやTexas Instruments、ルネサス エレクトロニクスといった企業を買収するのでは、という噂がでたこともあったが、実際には検討はされたもののまったく実行されてこなかったことから、デバイス部門の新CEOにとって米国テキサス州における半導体ファブ建設とともに喫緊の課題となるものとみられる。