中外製薬は12月7日、関節リウマチなどに効果が認められているスイスの製薬大手ロシュが手掛ける抗炎症薬「アクテムラ(一般名:トシリズマブ)」について、12月6日付でロシュが欧州医薬品委員会(CHMP)より、全身性コルチコステロイドの投与を受けており、酸素投与または人工呼吸を必要とする成人に対する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として適応拡大の承認を取得したと発表した。
今回のECによる承認は、CHMPの審査を踏まえたものであり、重症新型コロナ患者5500例以上を対象として行われた、ロシュ主導の第III相試験(COVACTA試験、EMPACTA試験、REMDACTA試験)、およびロシュが支援しオックスフォード大学が主導したCOVID-19治療薬評価に向けたRECOVERY試験の4つの試験の成績に基づくもの。すでにアクテムラは、新型コロナ治療薬として、オーストラリアで暫定的に承認されているほか、米国およびガーナで緊急使用許可を取得している。また、世界保健機構(WHO)も推奨しているほか、アクテムラなどのIL-6レセプター阻害薬は重症新型コロナ患者の管理に引き続き有効であることが期待されるとの報告を行っている。